おもり校正の必要性

なぜおもり校正が必要かを解説します

おもり校正は不確かさの洗い出しに必須

「不確かさ」を知ることの意味とは

そもそもおもり校正とはなにかを知るためには、「不確かさ」を知ることの意味を理解する必要があります。不確かさはその字のとおり、機器ひとつひとつのズレを指します。つまり不確かさを知るということは、計測器の精度が現在どうなっているかを把握することです。もちろんこれはおもりだけに限らず、すべての計測機器に対して必要とされる考え方です。具体的にどのようなことをするのかというと、おもり校正では、限りなく正しい測定ができるものを使って、該当するおもりがどれくらいの誤差をもつかを調べます。多くの場合、非常に精度の高い分銅が使われ、その測定結果を比較し、不確かさを確定します。結果は校正証明書といった書面で提出されますが、おこなわれるのは事実確認です。つまり、校正は修理でもなければメンテナンスでもないため、ズレを直して精度を上げるような行為はないことを認識する必要があります。

正しく表現すると、校正は法律で義務化されていないものの、検査は定期検査が義務となっている点が注意です。取引や証明用途で使用する検定付き計量・計測機器は、計量法で2年ごとの検査義務があります。ではなぜわざわざ校正をする必要があるのか、その理由は正確さを立証することに尽きます。おもりに限らず計量機器は経年劣化で誤差が生まれますが、果たしてそれが製品やサービスの精度に影響するレベルかどうかは客観的にわかりません。ISOは計量機器の管理において校正を要求していますが、結局は自社製品のクオリティと企業の信頼の保全のため必須の行為です。もちろん取引先から校正関連の書類を提示するよう求められることも多いですし、第三者が証明する信頼性を持ち得るには必須の対応と言えます。

周期は自社が独自に定める必要あり

おもり校正に限らずあらゆる計量機器において、一般的に校正が不必要だと考えるような企業はありません。ただし頭を悩ませるのがその周期です。専門業者のもとには、希望する企業などから実施周期について問い合わせが入ることがたびたびあります。ただ多くの場合は1年に1回程度実施されることが多いものの、前述のとおり法定義務がある行為ではないため定めがあるものではありません。要求するISOでもその周期については言及していませんので、正しい期間や有効期限はないということをあらかじめ認識する必要があります。つまりは自身で実施することになるため、適正な期間を自社で定め、自社のルールに従ってルーティン化することが望ましいと言えるでしょう。

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